CEDEC 2013レポート

CEDEC2013に3日間参加してきました
研究に関連ありそうな話題をいくつか紹介します

最新AR技術とアプリケーション開発事例
六本木ヒルズでの大規模AR事例「Hatsune Miku AR Stage」のメイキングについて
AndroidPSVitaをプラットフォームとしていたが、機種ごとの性能差が問題に
GPUによっては描画がおかしくなったりカメラ性能に差があったりといった差異を
一機種ごとに検証して、機種ごとに処理を分けて実装
3Dモデルを建物の裏に出すためのマスキングモデルをつくるために、正確な図面から模型を作って検証など
大規模ARは事前準備が重要とのこと

次世代機を見据えた物理ベースリフレクタンスモデルの設計
トライエース五反田さんのお話
次世代機のGPUにおいてはテクスチャデータへのアクセスなどがネックになってALUが余っている
シェーダを豪華にしてもパフォーマンスに影響しないとのこと
現行の物理ベースBlinn-Phongモデルでは物理ベースといっても問題が多い
・スペキュラはマイクロファセットを考慮してるのにディフューズはLambertになっていること
・そもそもマイクロファセットのモデルが単純すぎること
・Shininessという物理的な意味が分からないパラメタ

SIGGRAPH2012のPhysically-Based Shading at Disney(pdf)を参考に新しいモデルを設計
詳しいことは理解が追いつきませんでした

Unreal Engine4の話
Sparse Voxel Octree GI が搭載されてるが、次世代機においてもまだ重いので
UE4のデモでは使ってなくいて、Epic Gamesのプロジェクトでも使う予定はないとのこと
ノードベーススクリプティング機能 Blue Print が直感的でとても便利そうでした

【その他展示】
Havokエンジン Project ANARCHY はモバイル向けの物理・AI・アニメーションエンジン
開発・公開まで完全フリーで誰でも使えるらしいです
モバイル以外のプラットフォームへ対応する場合に課金が必要

Marvelous Designer2 という衣服デザインソフト
型紙を入力して衣服を着た3Dモデルを生成するらしいです
布の伸縮などは計算してないけどそれなりの見た目

芯まで軟らかいぬいぐるみロボット東工大 長谷川晶一研究室)
胴体内部にあるモータで糸を引っ張ることで腕や足が稼働するぬいぐるみ
骨格が入ってないので触ってもやわらかくてけっこうびっくりします

パッチワーク風シェーダバンナム 加藤政樹)
Unity本で著述賞をもらった方のノンフォト系シェーダ
バルーンアートシェーダとかあるといいですね

Oculus Rift
UE4とUnityのブースにおいてあったので、ジェットコースターのデモを体験してきました
解像度はドットが分かるくらいであまりよくなかったけど
視野全体が画面になるので没入感は尋常でないです
ただし三半規管がおかしくなって30秒で頭痛がしてきました
CEDECで一番ビビッドな体験でした

【所感】
展示ではモバイル向けのツール・ミドルウェアが目立ちました
次世代機の進化も目覚ましいですが、Android、PS MobileやNintendo Web Frameworkといったプラットフォームでは
SFC世代のレトロなゲームがまだまだ活躍できそうです
それにしてもゲームを作りたい一般人にとってはとてもいい環境になりました
Unityをはじめ無償のツール群と簡単に公開できるプラットフォームが充実しています

次世代機での今後の技術的なトレンドとしてはAI技術の応用が進みそうです
アニメーション・モデリングサウンドカットシーンの自動生成といった部分に使われています

山田